今年度の開始時から、オンライン学校をスタートさせてきた宝仙学園小学校ですが、それを6月半ばまで継続してきました。その後、分散登校を2週続けて、6月29日から一斉登校を始めましたが、今後、新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、再び『オンライン学校』を再開する可能性もあります。
そこで、今回、子ども達自身を対象にして、「オンライン学校はどう感じられたか?」「その間の様々なオンラインの取り組みはどうだったか?」などについてアンケートを実施し、その内容を振り返って、オンラインの良い面や配慮するべき点などをまとめ、今後に活かしていきたいと考えました。
まず、「オンライン学校がどの程度よかったか?」という問いに対して、「とてもよかった(44.1%)」と「よかった(37.9%)」を合わせると、82%の児童がよかったと回答しています。
その回答ワードには、「規則正しい」「会える」「見れる」「できる」といった言葉が並び、学びの習慣を止めることなく継続できる素晴らしさについて、児童自身がたくさんの喜びを語ってくれていました。新型コロナウイルス感染症のリスクを避けて学校への移動をせずとも授業が続けられること、自宅にいながら学べることができるというオンラインならではのメリットを感じていた様子も見られました。
心に残る授業について聞いてみたところ、国語や算数といった教科を学び続けられたことがよかったという児童ももちろんいましたが、理科や図工、音楽などで友達と考えを出し合ったり作品や活動を見合ったりした授業が、心に残った、印象深かったと挙げた児童も多く、オンラインであっても交流する活動があった授業が、児童にとっては好評だったようです。
オンラインの授業の場合、その性質上、いつもうまくつながるとは限りません。多くの児童が、うまくつながらなかったり、音声が聞き取れなかったり、急に接続が途切れてしまったりするハプニングや不具合も経験しました。この経験は時には大変な思いもしたとは思いますが、児童全体としてはICTのスキルやリテラシーをアップした面にもつながっていると感じています。まさに、失敗を通して成功につなげる経験だと言えます。児童の中には、チャットやミュートをうまく使いこなせるようになっていくにつれて、オンラインという環境を恐れることなく向きあえる経験へとなったのだろうと思います。
オンラインジム(運動の時間)やオンライン休み時間、自習時間、HosenTV(宝仙に関わる各業界の方々や保護者、先生方などが出演する時間)、他校との交流などについても感想を聞いてみましたが、オンラインならではの機会や面白さを味わうとともに、より一層実際に会えることのすばらしさに気が付いたように思いました。
今は、一斉登校が始まっていますが、オンライン学校の取り組みが残したもの、そして、実際に登校する学校生活に活かしつながること、さらに将来にむけて改めて学校の姿を見つめなおす機会になったと感じています。
オンライン学校を経験した宝仙学園小学校は、教師も児童も、今まで以上に、幅広い学びのスタイルを身につけたと言えます。オンライン読書やオンライン給食もしてみたい、という児童がいたり、オンラインで料理や実験をしてみたいというアイデアを出す児童もいました。
7月からは、1・2年生にCYODスタイルを導入して、全児童が、一人1台端末環境となりました。オンラインで経験したことを普段の授業スタイルにも融合させて、宝仙学園小学校はさらに進化し続けていきたいと考えています。
(以下に、「オンライン学校 児童対象アンケート」のまとめを掲載します。)