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父母会主催 オンライン講演会 登壇者:親野智可等先生

投稿日2022/3/5

 

「今の時代、大人が子どものために出来ること。~AI・超高齢化・SDGs・ゲーム&スマホ・中学受験~」

2022年2月17日(木)、父母会主催によるオンライオン講演会が開催されました。

今年度は23年間の小学校教師のご経験を持ち、現在教育評論家としてご活躍されている「親野智可等先生」をお迎えし、本校のご家庭に向けたメッセージとして「今の時代、大人が子どものために出来ること~AI・超高齢化・SDGs・ゲーム&スマホ・中学受験~」についてご講演いただきました。

 

親野智可等先生は、SNSなどでも子育ての悩みや保護者に向けたメッセージを配信するなどして、大人気の教育評論家の先生であることはご存知かと思います。そんな親野智可等先生に、本校の特色に合わせ、多くのご家庭がお持ちの子育ての悩みについて、お話しいただきました。

 

|子育ては楽しみながら|

まず、「子育ては悩み続けるもの」、だからこそ子育てを「楽しむこと」とおっしゃっていましたが、年齢が上がるにつれて、なかなか出来ていないことではないでしょうか。

親の愛情があるからこそ、意外と空回りをしていることが多い。愛情があふれているからこそ、親の願いは強く、欲望へと変わり、その結果否定的に叱る回数が増える。

さらには否定的な言葉を繰り返すことによって、子どもは自信をなくす…。

まさに「それって、うちのこと?」とはっとさせられました。

否定的な言葉をたくさん浴びることで、自己肯定感を持てない、自己イメージが悪くなる。これが特に親や先生、友達の言葉に影響をされていると言われています。

 

|自己肯定感|

自己肯定感が高いと、根拠がない自信も持ち、様々なチャレンジをすることが出来る。

逆を言えば、自己肯定感が低く、自己イメージが悪ければ、子ども自身が自信をなくし、親からの愛情不足感を感じてしまい、自分は大切にされているのか疑問を持ってしまうのです。その結果、トラブルを起こし、問題行動を起こすことで、親は心配してくれる、自分の事を気にかけてくれる、そんな歪んだ考え方で愛情確認をするそうです。

歪んだ考えをもってしまうとますます親子間のすれ違いも生じてしまい、親子関係が崩壊してしまうと思いませんか。「このままではいけない」「子どもの可能性を親が妨げてしまう」そんな今までの考え方を反省しなければならないと多くのご感想もいただきました。グサグサと心に刺さるお言葉を聞いて、画面越しでも分かるくらい、みなさまの表情が硬くなっていらっしゃったのが、とても印象的でした。

 

|方法の工夫・言葉の工夫|

では、いったいどんな風に関わっていけばいいのか?そのことに対しては、「方法の工夫」「言葉の工夫」を用いて、関わり方をしていくのです。

すでに小学生になった子どもたちに通用するのかとちょっと不安になる方もいるかもしれません。3歩進んで2歩下がる。1歩ずつでも前進できる工夫をして、できたら褒める。その繰り返しのようです。「おしたくボード」「模擬時計」など先生がオススメしている、すぐに出来そうな工夫を取り入れながら、少しでもバトルをしない子育てが出来るといいですね。

うまくいくときもうまくいかないときもあっても、工夫することが大事。むしろうまくいかないことの方が多いかもしれません。子育ては、「鉄は熱いうちに打て」という考え方もありますが、実はそれは勘違いだ、と専門家までが否定している研究まで出ています。

今までの考え方が間違っていた、私たち親自身が考え方を見直すこともしなければならないのかもしれません。子どもたちの行動、言動が生まれもった資質であれば、そう簡単に改善することはできないのです。

改善するためには、本人の強烈なモチベーションと強い目的意識が必要ということです。しかも、本気で考えなければスイッチは入らない。

だから小学生では出来なくて当たり前。だけど、出来ないからかわいい。そんな親野先生の一言一言のお言葉は、愛情を感じ、私たち親に、少しでも考え方を見つめなおしてほしいという思いが感じられました。

 

|コインの裏表|

また、「コインの裏表」。そのキーワードは、皆様に響いたのではないでしょうか。

お子さんの短所は長所になるのです。今はまだそこまで成長していないだけで、ある時、急に芽が出るかもしれないのです。そのためには、私たち親は目先の事ばかりを見るだけでなく、時には「諦める気持ち」を持ち、子どもたちの成長をグッと待つ姿勢でいること。結果を求めず、期待はしない、出来なければ手を差し伸べる、そんな関わり方をすることで親子関係が良好に向かうそうです。

 

|共感・民主的対話|

毎日毎日子育てをしていると、子どもの話を受け流してしまったり、子どもとの対話が少ないと思いませんか? 

子どもも自分の意見を持つ一人の人間です。子どもたちの声に耳を傾けてみませんか?

そして、子どもたちをよく観察してみませんか?ちょっとした変化や子どもたちがどんな思いでいるのか、見えてくるかもしれません。

子どもたちの話をよく聞き「共感する」こと、「民主的に話す」こと。

話を聞くときは『Yes、Yes、but』と共感をたくさんしてあげましょう。

例え、子どもであっても、人として、リスペクトする気持ちは、信頼関係が生まれるのです。「とにかく子どもたちは能天気で毎日楽しく過ごすことを増やしてほしい。それが、子どもの自己肯定感につながる」なんとも目から鱗のようなお話しばかりでしたね。

 

|幸せホルモン(オキシトシン)|

「生まれてきてくれてありがとう」たったこの一言で、子どもたちはどれだけ安心するでしょう。

ちょっとしたハグやスキンシップは幸せホルモンである「オキシトシン」をより多く分泌し、心が安定し、落ち着く効果も得られるのです。

子ども自身をまるっと受け止める、そんな心を、私たち親は子どもたちにきちんと体と言葉で伝えていかなければならないのかもしれません。

人は「男の子脳」「女の子脳」を持ち合わせていて、その生まれもった脳の持ちようで性質、性格も異なります。自分の子がどちらの脳の性質をもっているか知っているか知らないかで、子どもへの関わり方や工夫も変わると思いませんか?

毎日忙しい中でも、大切なお子さまたちの未来のために、「子育てを楽しむ」ことを始めていきましょう。今回のご講演は、私たちすべての保護者が、子育てに対して今一度考えさせられるもので、大変貴重なお時間となりました。ご参加できなかった方のために、ご講演いただいた中で、「心に残るキーワード」を抜粋させていただきましたので、ご参考にしていただければと思います。

『心に残るキーワード』モバイル版フリーダウンロードできます

これらたくさんの「キーワード」を、ご参加された皆様はどのように感じたでしょうか。

そして、たくさんのご感想ありがとうございました。すべてをご紹介したいくらい、皆様の思いを感じることができ、本当に素敵なご講演だったと感じております。

以下、一部ですが、ご紹介させていただきます。

今回、200名以上の方がご参加いただき、学び多き時間となりました。

 

親野智可等先生

 この度は大変お忙しい中、ご講演にご快諾頂きまして、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。 

子育てを「楽しむ」ことの大切さを感じながらも、ついつい、目先の忙しさや、子どもの不足な部分に目が行きがちですが、親になった喜びを今一度感じさせていただきました。その子自身の素敵な部分に目を向け、素敵な部分を伸ばしてあげられるようにサポートすること、また、子ども自身がやりたいこと、興味あることを全力で応援できる親になっていきたいなと改めて思いました。実り多い貴重な時間となり、保護者一同感謝の気持ちでいっぱいです。

今後一層のご活躍をお祈りいたしております。 

先生方

この度は、先生方のご支援により、無事にオンライン講演会を開催することが出来ました。中学受験に向け、どう関わっていくか、子どもとの向き合い方を改めて考えることができた貴重なお時間となりました。子どもたちがより素敵な日々を過ごせるよう、サポートしていきたいと思いますとともに、日ごろから、子どもたちのために手厚いご指導をいただいていることに改めて厚く御礼申し上げます。

宝仙学園小学校父母会5年幹事一同