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校長あいさつ

“未来をつむぐ”人をつくる

宝仙学園小学校校長 正路 進

本学園は創立以来、百年にわたり「人を造る」教育を実直に積み重ねてきました。
その歩みは、建学の精神でもある、『品格と知性を兼ね備えた人を作る』という言葉に貫かれています。
先人たちが守り、育て、つないできた歴史に、深い敬意を表します。
創立者は、「あの学校の人は、何となく品がよい、と言ってもらいたい」と語りました。
それは、内からにじみ出る人格を求める切なる願いにほかなりません。
宗教は教え込むものではなく、自然のうちに感受されるものです。
そこから得た信念こそが、いかなる社会にあっても人生を切り拓く力となる。
この精神が、本学園の教育の根幹であると考えます。

品格と知性を育む学びの場
~「自ら学び チャレンジと共創から 未来をつむぐ」~

仏教の教えに「自利」「利他」、そして「自他一如(じたいちにょ)」という言葉があります。
自らがよりよく生きることと他者の幸せは、ひとつであるという教えです。
“品格“があるということは、自分と他者を尊重しあい、互いに心地よい姿でいることだと思います。
“知性“を身につけるということは、単に知識や技能を身につけるだけではなく、それらを活用して社会の課題に主体的に向き合い、解決へと歩み出そうとする態度を育てるということまでも含めてとらえる時代にあると考えます。学びを実践へと昇華させる、そんなイメージだと感じています。
そう捉えたとするならば、学校が、そこで過ごす子どもたちや教職員にとって、互いに安心して幸せに過ごせる場であるか、人として確かに成長できる場であるか、私たちは、この問いを常に心の中心に据え、教育に向き合う必要があると思います。
そのために掲げる、小学校の教育方針が、「自ら学び チャレンジと共創から 未来をつむぐ」です。主体的に学び、勇気をもって一歩を踏み出し、多様な他者と力を合わせながら新たな価値を生み出していく。その一つひとつの営みは、建学の精神が求め続けてきた人格の形成へとつながっています。
そして、教師と子どもが同じ場に立ち、共に歩み、共に学び、共に成長する「師弟同行(していどうぎょう)」。その原点を大切にしながら、一人ひとりの可能性を丁寧に育んでいくこと、それが、本学園に託された使命だと考えます。

時代とともに進化する学びの構築

小学校では今、宝仙学園全体のさらなる発展を見据え、学園内の連携をいっそう深める取り組みを進めています。
幼稚園との交流を通して、育ちの連続性を大切にするとともに、小学生が中学・高校の「教科 理数インター」の授業を体験する機会を設け、学びの視野を広げています。学園における一貫教育の強みを生かし、縦につながる学びを実感できる環境を整えていきます。
また、教科指導の充実にとどまらず、日常の中に探究の姿勢が息づく学校でありたいと考えています。その中心となるのが「創造探究」の授業です。子どもたちが自ら問いを立て、対話し、試行錯誤しながら深めていく学びを、より活性化してまいります。
さらに、1年生から6年生までの異学年交流を積極的に取り入れ、多様な価値観や考え方に触れる機会を広げていきます。年齢を越えた関わりの中で、思いやりやリーダーシップ、協働する力を育んでいきたいと願っています。
こうした取り組みを支えるために、カリキュラムや時間割も時代の要請に応じて少しずつアップデートしていきます。そして、完成を予定している 『宝仙百年館 The Terrace(テラス)』の誕生によって、さらに加速していくこととも思っています。学年や校種の枠を越えて自然に人が集い、対話が生まれ、新たな挑戦が始まる——そのような象徴的な空間が、学園全体のつながりをいっそう深め、学びの可能性を広げていくものと期待しています。
変わらない教育の軸を大切にしながら、時代に応じて学びのかたちを進化させていく。その歩みを、これからも着実に重ねてまいります。

100周年を越え、次の100年間に向かって

まもなく迎える、学園創立100周年という大きな節目を前に、私たちに問われているのは、創立者の志をいかにして次の時代へと生かしていくかということです。
伝統とは、守るだけで続くものではありません。問い続け、磨き続け、勇気をもって更新していく。
その歩みがあってこそ、伝統はより確かなものとなり、次の100年へと受け継がれていくことと思います。
自ら学び、挑戦し、共に創り上げていく教育を、ここに集う私たちの力によって、いま一度揺るぎないものにしていきたい。
未来は、誰かが与えてくれるものではありません。
日々の実践の中で、私たち自身の手によって創り出していくものなのです。