深見太一先生をお迎えして
〜「クラス会議」で育む、対話と信頼の学級づくり〜
4月27日(木)、本校では深見太一先生を講師としてお招きし、校内研修を実施しました。研修テーマは「クラス会議を通じて、職員間の人間関係をより良くする」。子どもたちの学級づくりを支える私たち大人自身が、まず対話の大切さを体感することを目的とした研修でした。
深見先生は、かつてUFJリース株式会社での法人営業を経験されたのち、通信教育で教員免許を取得され、公立小学校で15年間、全学年の担任を経験しています。その後は、私立瀬戸SOLAN小学校の創設メンバーとして新しい教育の形づくりにも貢献されました。
現在は愛知教育大学の非常勤講師として教員養成に携わるほか、年間50回以上の講演や研修をこなし、全国の学校や企業で「クラス会議」や「DAO会議(心理的安全性を重視した対話型会議)」を広めておられます。
深見先生の研修は、温かな語り口と実体験に裏打ちされたユーモアで包まれながらも、現代の教育課題を深く見つめる内容でした。
冒頭では、「セルフハグ」をして自分を褒めたり、「最近のファインプレー」をお互いに紹介し合ったりする活動からスタート。まずは自分を大切にすることや、仲間の前向きな姿勢に気づくことが、対話の土台であることを私たちに教えてくれました。
次に体験したのは、「会話」「議論」「対話」の違いを実感するワーク。
子どもたちに求める「話し合い」や「意見交換」も、実は大人自身が対話の姿勢を体得していなければ、なかなか機能しないことに気付かされました。
クラス会議の進め方も、具体的に示していただきました。
子どもたちが安心して話せる場があることで、「自分で決めて、自分で動く」力が育ちます。特に、「言いつけ」や「悪口」が出やすい時期の子どもたちにとって、自分の思いを整理し、相手の背景を知ることはとても貴重な学びです。
また、「悩みを語るだけで軽くなる」「まずは先生のお悩みから話してもよい」という深見先生の提案は、教師主導の指導を超えた、関係づくりの本質を示してくれました。
「クラス会議」は、学級経営の“テクニック”ではなく、子どもたちが自ら学びを深めていくための「土台」です。安心・共感・信頼のある教室づくりが、対話によって可能になることを、今回の研修で職員一同、改めて実感しました。
今後は、朝の会や帰りの会の時間を活用して、まずは「小さな対話の積み重ね」を大切にしていきます。また、子どもたちが「自己決定」できる場を保障することが、学びの意欲や行動力につながることも心に刻み、日々の教育実践に活かしていきたいと思います。