4月5日(月)新入生保護者を対象に「iPad導入説明会」を実施しました。2月18日にオンラインで実施した会に続いて、2回目の実施となります。
本校では「ICTは学びのための道具」と表現しています。ICT教育で目指すのは「正しく使い 正しく恐れる」姿です。そのためには、保護者のサポートは必須です。子どもの実態を把握しながら、教員だけでなく保護者が伴走することで、ICTを当たり前の道具として活用する力が身についていきます。
本日の会では、本校のICT教育の考え方について確認し、本校の情報モラル教育についての共同研究パートナーである教育ネット宮川氏より「保護者としての心構え」について、話をしていただきました。また、在校生保護者様より、メッセージもいただきました。最後に、全文を掲載します。
その他、具体的なサポートとして、iOSの機能である「スクリーンタイム」の設定の仕方、また各種アカウントへのログイン、主力アプリの使い方講習などを行いました。
2時間にわたる会となりましたが、ICT機器は持たせ始めが肝心です。
保護者の皆様と、ICT機器を使った学びで目指す姿をしっかりと共有することが何よりも大切なことだと考えています。考えを共有するとともに、我々大人のICT教育に対する見方・考え方をアップデートし続ける必要もあります。引き続き、このような場を大切にしながら、保護者の方とともに、積み重ねていきたいと考えています。
私には、今年3年生になる娘がおります。娘のiPadの使用状況について簡単ではございますがお話しさせて下さい。娘が自分のiPadを持ったタイミングは2年生の時です。新型コロナ感染症のために緊急事態宣言中で、学校へも通学できない状態の2020年6月でした。ただし、宝仙学園小学校ではその前の4月からオンライン授業を開始しており、このタイミングで自分専用のiPadを持つという学校の判断がありました。
iPad導入時には、今回のように保護者に向けた説明会があり、年齢に応じた使用制限をする方法についても説明がありました。ただし、制限にも限界がありますので、必要な範囲を過不足なく完全に制限することは難しく、細かな部分については家庭内でルールを定める必要がありました。
わが家では次のようにルールを決めました。まず、コンテンツ制限に関するフィルタリングについては、学校が推奨する通りに設定することにしました。iPadの使用時間を制限するスクリーンタイムについては、それを使用するかどうか、使用する場合にはどのように設定するかは娘に決めさせました。今、わが家では、娘が決めた通り、夜9時から翌朝7時までは使用しないことにしています。
利用開始から1年ほどたった今、使いこなすとまでは言えないまでも、柔軟にiPadの使い方を吸収できていると感じています。例えば、簡単なプログラミングアプリやキーノートといったスライド作成アプリは、面白がりながら取り組んでくれるので、遊びに近い形で慣れ親しんでくれていると思います。
2年生の自由研究では、iPadを使いたいと自ら考え、iPadで調べ、3つの動画を1つに編集する作品を作り上げました。また、算数の回答を動画で解説する課題が出たことがあるのですが、自分のしゃべる内容やスピードを客観的に確認しながら修正することができるということは、私たちの時代にはなかったアプローチであり、iPadなどの機器を利用できることの利点であると思います。
一方で、個人情報の扱いについては気を付ける必要があると感じる部分がありました。
もちろん、宝仙学園小学校の先生方から個人情報の扱いに気を付ける必要があることを子供に指導していただいています。オンライン授業の開始にあたっては、まず、自宅の位置や家族の個人情報が分かるようなものが映り込んでいないか確認するよう指導がありました。年に数回、情報モラルという授業も行われています。
しかし、家庭内でも、ケースバイケースで気を付けることが必要な場面もあると感じました。例えば、2年生の夏休みの宿題の一つに、google classroomというクラスの掲示板のようなアプリで毎日一行日記を書くというものがありました。その宿題にあたっては、投稿する前に、その内容について親に確認をとるよう子どもに伝えられておりましたので、毎日、娘は書く内容について事前に私に確認を取ってくれました。
ある日「今日はなん時にどこどこへ行きます」と書くことを投稿前に言ってきました。そこで私は、この書き方をしてしまうと何時にどこに行けば娘がいるということが知られてしまうこと、逆にその時間は家にいないということも知られてしまうことを伝え、それは安全ではなく、よくないことだと教えることができました。その宿題は、クラスメイトが見るだけですが、今後年齢を重ねSNSを始めたいとなったとき重要になってくる指導です。娘がSNSに興味を持つ年齢の頃には、投稿内容を私たちに事前に言ってくれる年齢ではなくなっていると思いますので、投稿する一行に孕む危険をそのタイミングで教えることは難しいのではないかと思います。
iPadを使う年齢が早いからこそ、親になんでも聞いてくれることで、親の知っていることを教えられるということを実感しました。iPadを使用していると悩む場面も多く、そこで親も気づきまた家庭のルールを子供と考えることの繰り返しです。でもこれは子どもがまだ小さいからこそ一緒に考えることができるのだと、実際やってみて感じました。
以上が私たち親子がiPadを実際使用して感じたことです。